2010年09月14日

物理:ボーズ・アインシュタイントラップ

これまでの実験では、量子原子気体とトラップされた単一イオンでは別々に扱われてきました。

今回、英国キャベンディッシュ研究所のチームが、中性原子のボーズ・アインシュタイン凝縮体とトラップされた原子イオンからなるハイブリッド量子系の形で、この 2 つを組み合わせました。

彼らは、この 2 つの系の独立制御を実現し、その基礎的な相互作用過程を調べて、凝縮体による単一イオンの共同冷却を観測しました。

今回の結果から、量子コンピューターの連続冷却や、ハイブリッド量子系における量子もつれの探索などの研究が可能になるかもしれません。


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nature 464,317-456 18 March 2010 Issue no.7287
Letter p.388 / A trapped single ion inside a Bose-Einstein condensate / C Zipkes et al.(University of Cambridge)


極低温に冷却した中性原子とイオンの運動および内部量子状態の制御を向上させることで、量子シミュレーションと量子計算に興味深い可能性が開かれてきました。

多体効果は数十万個の量子縮退中性原子によって調べられ、またコヒーレントな光−物質インタフェイスも構成されています。

単一、あるいは数個のトラップされたイオン系では、ユニバーサル量子計算アルゴリズムが実証され、精密原子時計における基礎定数の変動が探索されています。

これまでの実験では、量子原子気体とトラップされた単一イオンは別々に扱われてきました。

本論文では、これらが単一のハイブリッド系へと有利に組み合わせられるかどうかを調べるため、トラップした単一イオンが中性原子のボーズ・アインシュタイン凝縮体中へ侵漬する過程を研究しました。

このハイブリッド系では 2 つの成分が独立に制御できることが実証され、その基礎的な相互作用過程が調べられて、凝縮体による単一イオンの共同冷却が観測されました。

これらの実験から、この方法が量子コンピューターの連続冷却につかえるかどうかについて、さらなる研究が必要だと考えられています。

また、この結果は、ハイブリッド量子系における量子もつれの探索や、量子環境と結合し、局所的に制御された単一不純物粒子のデコヒーレンスに関する基礎的な研究につながると予想されています。


posted by 0≠素子 at 01:20| scientific article | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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